アロマセラピー 理論編

アロマセラピーとは

アロマとは・・香り セラピーとは・・療法 

全体の意味・・芳香療法

アロマセラピーとは、芳香療法と訳される自然療法です。芳香植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を体に取り入れることで、身体や心を健康に します。
芳香成分がどのようにして人に影響を与えるのでしょうか。

 精油はさまざまな芳香成分を含まれています。香りを嗅ぐだけで体調を整える、リラッ
クスする、リフレッシュするなどの効果をあらわします。また、植物油で希釈して身体へのトリートメントに用いると、肌がきれいになる、こりが楽になるなど多くの効果を表します。

芳香成分はどのように体内に取り込まれるのでしょうか。

 香りを嗅ぐと、鼻と直結していると言われている脳を通して、内分泌系や 自律神経系・免疫系へと働きかけます。
 また呼吸と一緒に口からも取り込まれ肺の粘膜から血管を通って吸収され血液 中に入り内臓に働きかけます。
 オイルトリートメントなどを行うと皮膚からも吸収され体全体に働きかけます。
鼻の粘膜からも微量ですが取り込まれ最終的には汗や尿として排泄されます。

香りを嗅ぐだけで感情が変わる?

 バラの甘美な香りを嗅いで、気分が良くなる。香辛料の香りを嗅いで食欲が増す。腐っ
た食べ物の臭いをキャッチして食べずに済ますことができるのは臭覚のお陰です。香り
は私たちの心を微妙に変化させ、生命の危機に対する防護機能を働かせてくれます。脳
に及ぼす香りの影響は人間を含む動物の「生きる」という本能的なことと密接に関わっています。

アロマセラピーとアロマテラピーの違い

◎アロマセラピー
イギリス(英語)一般の人が自己責任において心や体のケアに利用する。
◎アロマテラピー
フランス(フランス語)医者が患者に対して薬として処方(飲み薬、塗り薬として)

アロマセラピーの歴史

出来事(世界)出来事(日本)
エジプト
医学上の目的やミイラの保存用などシダーウッド、ミルラ、シナモンなどを防腐剤として使用(パピルス文章より)
BC
3000 年頃
縄文時代BC1000 年頃~BC300
年頃
ギリシャ
(BC500年~0年)ガルバナム、シナモン、ミルラを使用し炎症を治療。バラ水を鎮痛剤や頭痛薬として使用。
(BC460~377年頃)医学の祖ヒポクラテスは「健康は芳香風呂に入り香油マッサージを毎日行うことである」と言う
(BC370~285年頃)テオフラストス(アリストテレスの弟子)が「植物史」を著した。
弥生時代前期
BC300年頃~AD0年頃
キリスト誕生
東方の三使者が黄金、ミルラ、フランキンセンスを捧げた。(新訳聖書より)
(100年頃)デオスコリデス(ギリシャの医師)「デ・マテリカ・メディカ(薬物誌)」を著した。
AD0年弥生時代後期:稲作の定着
水蒸気蒸留法の確立
アビセンナ(980年~1036年)が精油の水蒸気蒸留法を確立した。
十字軍の遠征
(1095年頃~1291年頃)地中海周辺の地域との文化交流を促し、ハーブや薬草、精油蒸留法がヨーロッパに伝わる。
592年頃
~1200年頃
飛鳥時代(592~710年):595年
淡路島に香木(沈香)が漂流
奈良時代(710~794年):上流階級の貴族の間で部屋に香りを焚いたり衣類に香りをつけたりすることが流行る。
平安時代(794~1192年):香道の始まり。
出来事(世界)出来事(日本)
ハンガリーウォーター(14世紀)
アロマセラピーの進化
様々な書物によりアロマセラピーが体系づけられる。(16 世紀)
ペストの大流行(1664年~1665年)
イギリスでペストが大流行。屋内外で香料を焚き伝染病を防いだといわれる。
(1928 年)ルネ・モーリス・ガット
フォセ著「アロマテラピー」
(1964 年)ジャン・バネル(フランス人医師)が「植物=芳香療法」を著す
1300 年頃~枕草子(清少納言)(1330年) 鎌倉幕府滅亡(1333年) 室町時代(1392~1573年)鉄砲伝来(1543年) 関が原の戦い(1600年)江戸時代(1603年~)

アロマセラピーの基本的注意事項

飲まないで下さい

 精油は薬理作用の集合体です。毒性の成分を含むものがあり、粘膜を荒らすことがあります。子供の手の届かない場所に保管してください。誤って飲んでしまった場合は、多量の牛乳や水を飲み、速やかに医師の診断を受けましょう。

精油の原液は直接肌につけないで下さい

 ラベンダー、ティーツリーはそのまま原液で用いることが出来ますが、それ以外は必ず
3%以下に薄めてください。また、肌が弱い方はラベンダー、ティーツリーであっても薄めてください。

アレルギーテストをしてください

 初めて使う精油は10倍に薄め腕の内側でアレルギーテスト(パッチテスト・24時間)を行い、体質に合うと判断してから使用してください。

保管場所・使用期限に気をつけましょう

 精油は植物から取った生き物です。一年以内に使い切るようにしましょう。(柑橘系は半年)また、精油は日光を嫌いますので、日のあたらないところに保管しましょう。特にマッサージオイルは酸化臭がしはじめたら捨てましょう。

安全な精油を使いましょう

 純度が100%でないのに精油として売られている場合があります。純粋で安全な精油を使いましょう。

精油は薬ではありません

 医師の診断が必要と思われる場合は、精油の効果に頼らす病院で診断を受けましょう。
また、通院中や投薬中の方には担当医に相談のうえ、使用しましょう。

妊娠中には気をつけて精油を選んでください

 通経作用のある精油もあります。妊娠中は充分注意して精油を選んでください。禁忌表以外の精油でも注意が必要なものがあります。基本的には病気や怪我の方と同様に医師の指示に従ってください。

乳幼児、子供に対しての使用には慎重に行いましょう。

 赤ちゃん(0~12ケ月)に用いる精油は「ラベンダー」「カモミール」の芳香拡散のみです。
 幼児(1~7歳)に用いる精油は「ラベンダー」「カモミール」「ティーツリー」の3種類での芳香拡散とオイルトリートメント(1%)までにしましょう。
 子供(8~14歳位)は特に制約はありません。濃度を成人の半分にします。

アロマオイルをふき取ったタオルの取り扱いには充分注意しましょう。

オイルを含んだタオルを大量に乾燥機にかけると故障の原因になります。また、記事の通り火災に繋がる恐れもあります。

バイ・デジタルO-リングテストについて

1. バイ・デジタルO-リングテストって何?

 これは現在ニューヨークを拠点に活躍されている大村恵昭博士によって、1970年頃
に開発、発表されたものです。人の健康状態や疾病の場所、その人に合う薬とその量な
どを、指で作った輪(O-リング)への力の入り具合で簡単に見分けることができます。
このO-リングテストは大村博士によって開発されて以来、科学的検査(X線、CTス
キャン、心電図、血液検査など)で色々と研究が重ねられてきました。アメリカでは、
ニュージャージー州審議会のキ・ホ・キム博士による臨床において、O-リングテスト
で見つけられた異常の95%がCTスキャンで確認されています。

 テストの方法は簡単で、親指と人差し指でOの形を作り、反対側の手に薬やアロマの瓶
を持ちます。他の人に指で作ったOの形を下の図の用に外そうとしてもらいます。もし
薬やアロマがあなたに合っていれば、指は簡単に外れませんし、もし合わなければ、指
で作ったOの形は簡単に崩れてしまいます。このテストは、場合によっては測定器を
使うより精度の高い結果を出す優れものです。テストをするときは、できるだけ電気製
品・電磁波を避け、貴金属・眼鏡等を外し、トイレに行ってから行いましょう。寝てい
たり、立っていたり、座っていたりしてかまいませんが、姿勢を安定させ、体の左右を
対称にすることがコツです。

精油の基礎知識

◆精油とは

 芳香植物から抽出した天然の化学物質が数十から数百集まって出来た有機化合物であり100%のオイルを精油(エッセンシャルオイル)といいます。100%ピュアの精油の一滴は通常0.05ミリです。
 有機化合物(炭素の入った自然のもの)炭素→燃やした時に黒く焦げるもの
 有機→自然のもの無機→Na、Ca(塩)

◆精油の選び方について

 アロマセラピーで一番大切なことは質の高い精油を使用することです。つまり、「100%天然」のものを選ぶことです。「100%天然」とは何も加えず、何も除去していない精油のことです。例えば、農薬や化学肥料、合成香料などの混合物がないものです。
アロマセラピーのブームにより諸外国から輸入されてきた精油が容易に手に入るようになって来ました。中には有効成分が極端に少ないものや、合成香料が混ざっているものが売られているのも事実です。安心してアロマセラピーを実践するためには、内容成分がしっかりした精油を選んで使うことが絶対条件です。

◆精油選びのチェックポイント

  1. 使用されている植物の正式な名称(学名)・原産国・抽出部位が明記されていること。
  2. 蒸留方法が明記されていること。
  3. 原料の収穫年月日、瓶詰めされた場所、年月日、ロット番号が明記されていること。
  4. 抽出されたロットごとの番号が明記されていて、成分表が確認できること。
  5. 瓶に一滴が0.05~0.06mlの範囲内におさまるドロッパーが付いていること。
  6. (2mlの瓶はスポイトで抽出する為、ドロッパーがないものがあります)
  7. 均一価格のものや、極端に安いものは避ける。(天然のものは精油の種類により同じ容量でも価格は違います。)

◆精油のケモタイプ

 同じ種類でも原産地の違いなどにより精油成分の構成比率に著しく違いが生じるものを「ケモタイプ」といいます。タイム、ローズマリーなど。

精油抽出部位・特徴・作用

抽出部主な精油名特徴特徴から連想する作用
果皮オレンジ
ベルガモットグレープフルーツレモン
  1. 黄色→東洋医学の五行論では「胃」
  2. 黄色、球→太陽
  3. 果実のゴツゴツした表面→にきび、セルライト
  • 消化器に対する作用
  • 気分を明るくさせる作用
  • ニキビ、セルライトの症状緩和
イランイラン
カモミール
ジャスミンネロリ、ヤロウローズ
  1. 植物の生殖器官
  2. 美しさ、甘美な香り→女性のイメージ
  • ホルモンや生殖器に対する作用
  • 催淫作用、精神作用
  • スキンケアに役立つ
ティーツリーパチュリーユーカリレモングラス
  1. 刃物を連想させる葉の形→何かを攻撃
  2. シャープな香り
  • 殺菌作用、免疫系の力やバランスの強化
  • 頭がスッキリする
花と葉クラリセージゼラニウムペパーミントマージョラムメリッサラベンダーローズマリー上記の花の作用+葉の作用
  • 殺菌、消毒作用、免疫強化
  • 生殖器に対する作用
  • 痛みの緩和
  • 消化器に対する作用
木部サンダルウッド
シダーウッド
ローズウッド
安定感のある太い幹
根から吸収した水分と栄養分が通過する部位
  • 呼吸器に対する作用
    (心を落ち着かせる)
  • 泌尿器に対する作用
    (体内の水分循環)
樹脂フランキンセンス
(乳香)
ベンゾイン(安息香)
樹脂→傷が付いたり、避け
たりすると分泌される→血液
皮膚疾患
婦人科系疾患(東洋医学では婦人科系のことを血の道という)
種子カルダモン実や種には次の世代の命が宿っている
  • 副腎・腎臓への働き:腎は生命エネルギーを宿す所
  • 肝臓強壮:肝臓は血を蓄える所

精油の抽出方法

① 水蒸気蒸留法
 現在使われている水蒸気蒸留法の形は錬金術師アヴィケンナにより10 世紀に開発されました。原型は5000 年前のメソポタミア文明まで遡りローマ時代にもよく利用された方法です。現在は装置も大型で複雑になっていますが、基本原理は変わっていません。
 先ず精油の原料となる植物を蒸し器のような釜に入れて、釜の下で火を焚き、蒸気を発生させ加熱します。すると熱と圧力により芳香成分が蒸気の中に放出されます。この蒸気をパイプに集め、パイプを冷却すると中の水蒸気は液体になります。この液体を溜めておくと精油は水より軽いので上部に浮き、下部に抽出に用いた植物の蒸留水ができます。(ラベンダーを蒸留した場合は、この蒸留水がラベンダーウォーターになります。)植物により蒸気の圧力、温度、所要時間が異なります。
 植物を短時間に高温、高圧で蒸留すると量は多く取れますが品質の低下を招きます。そ
の植物に合わせてじっくり時間をかけて蒸留することで質の良い精油ができます。抽出された精油は冷暗所で芳香成分が安定するまで保管されます。精油の種類によって異なりますが、ラベンダーは最低一ヶ月、ローズマリーは三ヶ月寝かせます。

②冷浸法・油脂吸着法(アンフルラージュ法)
 木枠に板ガラスをはめた(右の写真参照)道具を用いて抽出します。水蒸気蒸留法と異なり温度をかけずに精油を抽出できるため、ローズやジャスミンの精油抽出に用いられました。有機溶剤抽出法確立以前の古典的な抽出方法で、現在はあまり使用されていません。

③有機溶剤抽出法
 熱に弱い花の精油を抽出するために使われる方法です。水蒸気蒸留法と比べて、より多
くの芳香成分が抽出できます。温めた揮発性の溶剤に原料植物を入れると精油成分を含
んだ固形ワックス(コンクリート)が出来ます。このコンクリートをアルコールで精油
分を分離させた後、低圧でアルコールのみ蒸発させ抽出します。また、分離したワック
スには微量な芳香成分が残るため、クリームの原料として使われます。

④圧搾法
 柑橘類の精油抽出方法です。(左の絵参照)熱を加え
ない圧搾法は酸化して劣化しやすいので、蓋を開けた
ら6ヶ月をめどに使い切りましょう。
⑤パーコレーション法
 木や種子などの硬い植物から精油を得るときに用います。蒸留を短時間で行うことができ、植物へのダメージを軽減させます。欠点は不揮発性物質が加わりやすいこと

◎アブソリュート(Abs.)とは・・・
 ジャスミンなどの花は、一般的な水蒸気蒸留法では、熱により芳香成分が破壊されます。そのようなデリケートな花から抽出する場合は溶剤抽出法やアンフルラージュ法を用います。その精油は「アブソリュート」と呼び水蒸気蒸留法と区別して呼ばれています。

抽出ごとの主な精油の分類表

抽出方法
精油名
水蒸気蒸留法
イランイラン・カモミール・カルダモン・クラリセージ・
サイプレス・サンダルウッド・シダーウッド・ジュニパー・
セラニウム・ティツリー・フランキンセンス・ペパーミン
ト・ネロリ・マージョラム・ユーカリ・ラベンダー・ロー
ズ・ローズオットー・ローズマリー・ローズウッド
有機溶剤法
ジャスミン・フランキンセンス・ミルラ・ベンゾイン
圧搾法
オレンジ・グレープフルーツ・ベルガモット・ベンゾイン・
レモン(柑橘系)
冷浸法
ジャスミン・ネロリ・ローズ(アブソリュート)

ブレンドの割合

 抽出部位の中に含まれるオイルの割合は、ハーブなどの場合は多くても3%くらいです。精油は薬理作用のある香り成分を集めたものですから、トリートメントオイルとして使用する場合は植物中の濃度(約3%)を基本と考えます。しかし、施術の間隔、トリートメントをする面積、(敏感肌など)皮膚の状態により割合は異なります。健康な大人であれば一日に精油を最大5~6滴(一滴を0.05ccとした場合)使っても身体の中で無理なく代謝され精油の蓄積もなく安全と考えます。

全身のオイルトリートメント1回で使う量(大人)
精油最大6滴キャリアオイルの量:30cc(夏)~50cc(冬)
濃度に換算すると0.6%~1%
部分オイルトリートメント1回で使う量(大人)両脚の場合
精油最大6滴キャリアオイルの量:15cc(夏)~20cc(冬)
濃度に換算すると1.5%~2%
部分オイルトリートメント1回で使う量(大人)肩首の場合
精油最大6滴キャリアオイルの量:10cc
濃度に換算すると3%

ブレンドの比率

【精油が混ざりやすいもの】

作るもの
濃度
50ccに対する滴数
キャリア
トリートメントオイル
2.0~3.0%
20~30滴
植物油
ハンドクリーム
フットクリーム
2.0~3.0%
20~30滴
植物油・蜜蝋
フェイスクリーム
1.0~1.5%
10~15滴
植物油・蜜蝋
液体シャンプー
2.0~3.0%
20~30滴
シャンプー基材
歯磨き粉
2.0~3.0%
20~30滴
クレイと水
フェイスソープ
1.0%
10滴
石鹸素地
ボディーソープ
1.5~2.0%
15~20滴
石鹸素地

【精油が混ざりにくいもの】

 比率の軽い精油は放置しておくと上に浮いてしまいます。また、容器を振っても手に取ったときに精油の分子がまとまりやすいので濃度を低くします。

作るもの
濃度
50ccに対する滴数
キャリア
バスソルト0.3~0.5%
3~5滴
シーソルト
ローション
1.0~2.0%
10~20滴
無水エタノール・精製水
コロン※
ルームフレッシュナー
2.0~5.0%
20~50滴
無水エタノール・精製水
香水
10~25%
100~250滴
アルコールと水
※コロンは直接肌につける場合濃度を低めにします。
※フレグランス協会では15~25%の濃度のものを香水と呼びます。
※香水でかぶれる=アルコールでかぶれる

【その他】
肌の中に浸透せず、表面に長時間おくパックの場合は濃度をかなり低くします。

作るもの
濃度
50ccに対する滴数
キャリア
フェイスパック
 0.2%
   2滴   
クレイ、はちみつ、ヨーグルトなど
※パック一回分につき1滴
※はちみつ、ヨーグルト、季節の野菜は栄養剤として使用

精油とブレンドファクター

 精油は数種類をブレンドして用いるとその働きをたがいに引き出しあい、1種類で用いたときよりも効果的だということが知られています。
 目的に合わせて精油を数種類選んだ後、これらの精油をどのような比率でブレンドするかの目安を示したものがブレンドファクター(B・F)です。精油の濃度や皮膚刺激(香 りの強さや毒性)に対する安全性を考慮して、経験的に定められた値です。

精油名B・F    精油名B・F
イランイラン4ブラックペッパー1
オレンジ3フランキンセンス3
カモミールG1ペパーミント1
カモミールR1ベルガモット4
カルダモン1ベンゾイン1
クラリセージ4マージョラム3
グレープフルーツ4ミルラ1
サイプレス5メリッサ1
サンダルウッド6ヤロウ1
ジャスミン2ユーカリ1
シダーウッド3ラベンダー7
ジュニパー4レモン3
ゼラニウム3レモングラス1
ティーツリー3ローズ1
ネロリ2ローズウッド6
パチュリー1ローズマリー2

重要!(覚えてください)

ブレンドファクター(B.F.)1、2の精油は少なく使っても充分な働きがある、皮膚刺激が強い、毒性が強い、香りが濃厚(きつい)などという理由で比率が小さいくなっています。使用する際は注意してください。

嗅覚のしくみ

 アロマセラピーのメカニズムは嗅覚と脳の仕組みと関連付けて説明されます。
 香りは一瞬で心身をシフトするチカラを持っています。ここでは、嗅覚について説明します。

嗅覚刺激は、鼻腔→嗅上皮→嗅神経→嗅球→脳(大脳辺縁系→扁桃体・海馬)の順に伝えられ、記憶、情動、本能行動などへ影響を与えます。

 鼻から取り込まれた芳香成分は線毛(嗅毛)でキャッチすると、電気信号(インパルス)で嗅球を通って脳(大脳辺縁系→扁桃体・海馬)に伝えられます。
 そのため本能行動(食欲・睡眠欲・生殖欲など)や記憶、喜怒哀楽といった情動は嗅覚の影響を大きく受けます。
 また、大脳辺縁系と繋がりが密な視床下部や大脳新皮質にも伝わる為、ホルモン分泌や内臓の働きなど生理機能、免疫、知的活動なども嗅覚の影響を受けると考えられています。

香りの相性

 精油の香りとその抽出部位を分類し、更に香りの特徴や作用を考慮して7つの香りのグループに精油を分類しました。
 まずはグループ分けをすることで香りの相性が合うか合わないかを大まかに捉えることができるでしょう。
 香りを作るための参考として、下の図で同じグループの精油同士や隣り合ったグループの精油をブレンドしてみましょう

香りのノート

精油は揮発性のオイルです。「ノート」という言葉を使って精油の揮発する早さや持続時間を表します。ノートはトップ(TOP)ミドル(MIDDLE)ベース(BASE)の三種類で表現されます。

ノート特徴・精油
トップノート軽い爽やかな香りです。素早くあたりに漂います。
香りの持続時間は2~3時間です。
主に花や葉、柑橘類の植物から抽出する精油です。
オレンジ・ベルガモット・グレープフルーツ・ティーツリー・カルダモン・ペパーミント・ユーカリ・レモン・レモングラス
トップ~ミドルクラリセージ・プチグレン・ネロリ・ラベンダー
ミドルノート揮発速度はトップとベースの間です。
香りの持続時間は3~4時間です。
主に花や葉から抽出する精油です。
ミドル~ベースイランイラン・ジャスミン・フランキンセンス・ヤロウ・ローズ
ベースノート香り立ちが悪く、じわじわと香る重たい香りです。
香りの持続時間は5~6時間です。(2~3日持続する場
合もあります。)
香水では保留剤として使われます。
木・根・樹液から抽出する精油です
サンダルウッド・シダーウッド・ベンゾイン・ミルラ・
ヒノキ・パチュリー・ビャクダン

精油の禁忌表

香りの精神的作用

精神的作用対応症状神経科学的分泌物対応する主な精油
集中力
記憶力
集中力不足
記憶力不足
精神的疲労
多数ブラックペッパー
レモンペ
パーミントローズマリー
催淫冷感症
インポテンツ
内気
エンドルフィンイランイラン
クラリセージ
サンダルウッド
ジャスミン
パチュリー
調整意気消沈
情緒不安定
生理前のイライラ
多数ゼラニウム
フランキンセンス
ベルガモット
幸福感落ち込み
自信喪失
エンケフェリンクラリセージ
グレープフルーツ
ジャスミン
*ローズオットー
鎮静ストレス
短気・緊張
怒り
不眠
セロトニン
(リラックス効果)
カモミール
ネロリ
マージョラム
ラベンダー
元気
鼓舞(勢いをつける)
無気力ノルアドレナリンカルダモン
ジュニパー
レモングラス
ローズマリー
* 水蒸気蒸留法により抽出されたローズ精油

キャリアオイル・エッセンシャルオイル(精油)とは

キャリアオイルとはエッセンシャルオイルとは
植物油(固定油)
揮発性ではない
気化しない
皮膚に「浸透」する
浸透・・・角質層から真皮層まで届く。
     皮膚にしみこむ
植物油
揮発性
皮膚に「吸収」される
吸収・・・真皮層から血液に届く。
     血液の中に入る(食べ物・栄養)

【良いキャリアオイルの条件】

  1. 物油であること
  2. 新鮮なこと
  3. 滑りが良いこと(皮膚に負担をかけない)
  4. 色、匂いが少ないこと(ブレンドが台無しになる)
  5. 栄養価が高いこと
  6. なるべく低温圧搾が望ましい(栄養が損なわれる、特にビタミンは壊れやすい)
  7. 効果があること

【こんなキャリアオイルは避けましょう】

  1. 鉱物油(ミネラルオイル)
  2. 古いもの(酸化している)
  3. 匂いが強すぎる
  4. 食用の油(添加されている酸化物質によるアレルギーの恐れがある)
  5. サフラワー(紅花油・酸化が早いので管理が難しい)
オイル名貯蔵期間滑り匂い浸透性備考
グレープシードオイル6ヶ月軽い殆どなし良い●一般によく使用
●クレンジングと肌の調子を整える
スイートアーモンドオイル6ヶ月普通多少あり良い●一般によく使用
●あらゆるタイプの肌によい
アプリコットカーネルオイル6ヶ月普通多少あり普通●フェイスケアに良い(敏感肌)
マカダミアンナッツオイル6ヶ月重い独特の香良い●老化肌に良い
●肌の保護、スキンクリームに使用
アボガドオイル8ヶ月重い独特の香良い●香りが強く精油とのブレンドに不向き
●保湿効果が高い
ピーナッツオイル6ヶ月軽い独特の香良い●スキンケア・頭皮のケアに使用
●乾燥肌に効果
オリーブオイル6ヶ月軽い独特の香良い●リウマチの緩和
●酸化しにくい
セサミオイル8~12年重い独特の香良い●関節炎に効果
●アーユルベーダで使用
ひまわり油6ヶ月軽い殆どなし良い●免疫系を強壮
月見草オイル
他のオイルに10%加え使用
6ヶ月 
要冷蔵
重い多少あり良い●フェイスケアに良い
ボリジオイル
他のオイルに10%加え使用
6ヶ月 
要冷蔵
重い多少あり良い●フェイスケアに良い
●抗炎症作用(痒み/皮膚疾患)
ローズヒップオイル
他のオイルに10%加え使用
2~3週間 
要冷蔵
重い多少あり良い●老化肌/ェイスケアに良い
小麦胚芽油
他のオイルに10%加え使用
12ヶ月重い独特の香程々●若年性皮膚老化の防止
ホホバオイル(ワックス)12ヶ月 以上軽い殆どなし良い●脂肪燃焼作用あり
●ヘアケアに最適

オイルトリートメントの効果

オイル・・・・血液、体液の循環促進———-┐
                      ├—— 相互に 関連し 効果を 高める
手技・・・・・身体に触れる物理的な刺激—–┘

  1. 皮脂腺の働きを高めます。そのため皮膚のつやが良くなり、皮膚の強壮に効果。
  2. 血管内・リンパ節やリンパ管内と組織にある不要な老廃物や水分を排出しやすくします。結果として免疫機能を向上させます。
  3. 新陳代謝を高め、肥満の予防になります。
  4. オイルを用いて手技を行うことで心地よさを生み、神経の疲労感を緩和させます。
  5. 神経系(自律神経、脳脊髄神経)に働きかけます。
  6. 慢性的な痛みを和らげます。
このオイルトリートメントの長所にアロマセラピーの精油効果を加えたものが、アロマオイルトリートメントです。